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整骨院経営は、保険か自費かではありません それぞれのお金の流れを整理する

整骨院経営は、保険か自費かではありません

保険診療を中心にするか、自費診療を増やすか。整骨院経営で大切なのは、どちらが正しいかではありません。入金までの時間、人件費や社会保険、自費診療の価値、消費税など、それぞれのお金の流れから長く続けるためのポイントを整理します。

「保険診療を中心に、このまま続けていけるのか。」「これからは自費診療を増やした方がいいのか。」整骨院を経営していると、一度は考えるテーマです。自費診療への移行を勧める情報も多くあります。ただ、保険か自費かだけで、経営の良し悪しが決まるわけではありません。保険には保険のお金の流れがあり、自費には自費で気をつけたいお金があります。大切なのは、どちらを選ぶかより、自分の整骨院がどのような収益構造で成り立っているのかを知ることです。

保険診療は、売上と入金に時間差がある

保険診療には、患者さんが利用しやすく、地域に根付いた院をつくりやすいという強みがあります。一方で、経営上は独特のお金の流れがあります。患者さんから窓口負担分を受け取っても、療養費として請求する部分は、請求や審査を経て後から入金されます。その間にも、給与・家賃・社会保険料・治療機器のリース料などは支払わなければなりません。患者さんは来ている、試算表では利益も出ている、それなのに通帳の残高は心もとない——保険診療を中心とする整骨院では、こうしたことが起こります。だからこそ、利益だけでなく、入金までの期間を支えられる現金があるかを見る必要があります。

患者さんが増えたのに、お金が残らないこともある

保険診療では、施術単価を自由に決められる範囲が限られます。売上を伸ばそうとすれば患者数や施術数を増やす方向になりやすく、一人で対応できなくなればスタッフを採用します。そこで増えるのは給与だけではありません。社会保険料など、スタッフを抱えることで継続的に発生する負担もあります。患者さんが増え、スタッフも増え、以前より忙しくなった。それでもお金が残らないのであれば、売上だけを見るのではなく、患者さんを増やすために、いくらのお金が増えたのかを確認する必要があります。忙しくなったことと、経営が楽になったことは、必ずしも同じではありません。

自費診療の価値は、「高く売れること」ではない

自費診療は、施術内容や価格を自院で設計できます。ただ、単価を上げられること自体が自費診療の価値ではありません。その場の症状だけではなく原因を一緒に考える、再発しにくい状態を目指す、身体の使い方や生活習慣まで伝える、スポーツを続けたい・仕事を楽にしたい・良い状態を維持したいという目的に合わせる——専門性や十分な説明、「この先生なら相談できる」という安心感も含まれます。

つまり、自費診療で先に考えたいのは、「患者さんが、お金を払ってでもこの施術を受けたいと思う理由は何か」ということです。自費を増やすことそのものではなく、その価値が整理された結果として自費診療が育っていく。その順番の方が自然です。

自費が増えたら、売上の「その後」も見る

自費診療が伸びてきたら、売上だけではなく、その後に残るお金も確認したいところです。保険の対象となる療養費と、自費で提供する施術やサービスでは、消費税の扱いが異なることがあります。自費売上が増えたからといって、その金額をそのまま使えるわけではありません。納税が必要になるのであれば、そのためのお金も残しておく必要があります。

回数券など、先に代金を受け取る仕組みも同じです。通帳にはお金が入りますが、その先にはこれから提供する施術が残っています。会計・税務上の扱いは契約内容などによって確認が必要ですが、経営としては「入ってきたお金」と「これから果たす約束」を分けて見ることが大切です。自費が伸びたときほど、売上ではなく、最終的にいくら残るかを見る。ここは意外と見落としやすいところです。

保険か自費か、その前に見ておきたいこと

保険診療では入金までの時間と、それを支える運転資金を見る必要があります。患者さんが増えてスタッフを増やすなら、人件費や社会保険料まで含めて確認する必要があります。自費診療では患者さんがお金を払う価値を先に考え、消費税や回数券まで含めて売上の後に残るお金を見る必要があります。こうして並べると、保険と自費では経営で注意する場所が少し違うことがわかります。

だから、「自費を何割にすればいい」という答えを先に探す必要はありません。まずは、今の整骨院に毎月いくら入り、いくら出て、最終的にいくら残っているのか。そこが見えると、保険と自費をどう組み合わせるかも考えやすくなります。

宿り木として

「これからは自費を増やした方がいいでしょうか。」そう相談されたとしても、宿り木税理士事務所では、最初から自費を増やすことを前提には考えません。まず、今のお金の流れを見ます。保険診療であれば、入金までの期間を支える現金があるか、スタッフが増えても社会保険料まで含めてお金が残っているか。自費診療であれば、患者さんがお金を払う価値があるか、消費税などを払った後にもお金が残るか。

保険か、自費か。その答えを先に決める必要はありません。患者さんに必要とされることと、院が長く続けられること。その二つが両立する形を探す。数字は、そのために使うものだと考えています。

「整骨院の保険診療と自費診療のお金の流れを整理したい」「スタッフが増えたのにお金が残らない理由を確認したい」という方は、お問い合わせからご相談ください。今のお金の流れを一緒に整理するところから始められます。

代表 増渕俊介の写真 宿り木税理士事務所
代表 増渕 俊介
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