Journal 開業前後の準備

開業資金500万円で何を始める? ④スタートアップ型の開業資金500万円

赤字を掘るなら、資金が尽きる時期を見る

スタートアップ型は、最初から黒字を目指さないことがある

スタートアップ型の開業は、一般的なスモールビジネスとは少し考え方が違います。飲食店や美容室のように開業後すぐに売上を作り固定費を回収していく事業もありますが、スタートアップ型ではプロダクトを作る、ユーザーを集める、仮説を検証する、改善を重ねる、資金調達をしながら成長を狙うというように、先にお金を使いあとから大きく伸ばすことを目指す形です。

そのため、スタートアップ型で大切なのは、開業資金を「何に使うか」だけではありません。そのお金で何ヶ月動けるのか、資金が尽きる前に何を証明するのか、次の資金調達や売上につながる数字は何か——ここを見る必要があります。

500万円は、思ったより早く減ることがある

開業資金500万円と聞くと余裕があるように感じるかもしれません。ただ、スタートアップ型では500万円は思ったより早く減ることがあります。開発費・外注費・広告費・サーバー費用・人件費・専門家費用と、売上がまだ立っていない段階で支出が先に出ていきます。仮に毎月50万円の支出があれば500万円は10ヶ月で尽き、毎月100万円なら5ヶ月です。この期間をランウェイと考えます。手元資金が何ヶ月もつかを最初に見ておくことがとても大切です。

赤字そのものが問題なのではない

スタートアップ型では最初から赤字になることがあります。将来の成長のために開発や集客に先行投資している、事業モデルを検証している——こうした赤字には意味があります。ただし、赤字でよいということと、何となくお金が減っていくことは違います。毎月いくら減っているのか、その支出で何を検証しているのか、どの数字が改善しているのか——ここが見えていない赤字は危険です。赤字か黒字かだけでなく、その赤字で何を得ているのかを見る必要があります。

資金が尽きる前に、何を証明するのか

スタートアップ型で大切なのは、資金が尽きる前に次の一手につながる材料を作ることです。試作品が完成した、ユーザーが一定数集まった、継続利用が見えてきた、法人契約の見込みができた、投資家や金融機関に説明できる数字が出た——こうしたものがあれば、次の資金調達や事業拡大につながる可能性があります。資金の使い道と、検証する仮説をセットで考えることが大切です。

借入と出資では、見られるものが違う

借入は返済が必要で、売上が立つ前から返済が始まると資金繰りを圧迫することがあります。出資は返済義務がない代わりに、株式や経営の自由度に影響します。どちらが良いという話ではありません。早く黒字化できる事業なのか、売上化まで時間がかかる事業なのか、大きな成長を狙うのか小さく利益を出して続けるのか——ここによって資金調達の形は変わります。

宿り木として

スタートアップ型の開業を、通常の小規模開業と同じものとしては見ません。最初から黒字を目指す事業もあれば、赤字を許容しながら成長を狙う事業もあります。大切なのはどちらが良いかではなく、自分の事業がどの型に近いのかを理解することです。

スタートアップ型であれば、何ヶ月動けるのか、資金が尽きる前に何を証明するのか、次の資金調達や売上につながる数字は何か、借入と出資のどちらが合っているのか——ここを整理する必要があります。数字は成長を止めるためのものではありません。成長するために、いつまでに何を確認するかを見るためのものです。

「スタートアップ型で開業したいが、資金計画が不安」「ランウェイや借入・出資の考え方を整理したい」という方は、お問い合わせからご相談ください。資金繰り・事業計画・ランウェイの考え方まで含めて、一緒に整理していきます。

代表 増渕俊介の写真 宿り木税理士事務所
代表 増渕 俊介
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