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年末調整で税金を払いすぎないために|2026年の控除と確認ポイント

年末調整で税金を払いすぎないために

知っておきたい控除と確認ポイント

毎年なんとなく書類を提出している、という方も多いかもしれません。

年末調整は、自分が受けられる控除を確認し、1年間の所得税を正しく精算する機会です。せっかく使える控除があっても、申告しなければ反映されないものがあります。

今回は、年末調整で見落としやすい控除と、2026年分の注意点を整理します。

税金が戻ってくるのはなぜ?

毎月の給与から差し引かれている所得税は、年間の税額を確定させたものではありません。

年末に1年間の給与と各種控除を反映して計算し直すと、すでに天引きされた税金が多すぎることがあります。その差額が還付される仕組みが年末調整です。

ただし、必ず還付されるわけではなく、計算結果によっては追加で徴収されることもあります。

還付金が多いほど節税できているわけでもありません。使える控除を漏れなく申告し、正しい税額にすることが大切です。

まずは、自分に関係する控除を確認する

年末調整で使える控除は、家族の状況や保険料の支払いなどによって異なります。次の表で、自分に当てはまるものを確認してみてください。

こんな方は 確認したい控除
配偶者がパートなどで働いている 配偶者控除・配偶者特別控除
扶養している子どもや親がいる 扶養控除
19〜22歳の子どもなどがアルバイトをしている 扶養控除・特定親族特別控除
生命保険・地震保険に加入している 生命保険料控除・地震保険料控除
iDeCoに加入している 小規模企業共済等掛金控除
生計を一にする家族の国民年金保険料などを支払っている 社会保険料控除
住宅ローンを返済している 住宅ローン控除
障害者、ひとり親、寡婦に該当する 障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除

このほか、本人の所得に応じた基礎控除などもあります。

基礎控除についても、勤務先から案内される申告書を確認し、必要な情報を正しく記入しましょう。

配偶者・扶養家族がいる人は、所得を確認する

配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除などは、家族の年齢や所得、本人の所得によって適用関係が変わります。

ここで注意したいのが、「年収」と「所得」は同じではないということです。

配偶者がパートで働いている場合、給与収入から給与所得控除を差し引いた金額が給与所得になります。控除の判定では、原則として収入ではなく所得金額を基準にします。

また、大学生年代の子どもがアルバイトをしている場合も、収入額に注意が必要です。

2025年分から設けられた「特定親族特別控除」は、19歳以上23歳未満の親族について、一定の所得要件を満たす場合に適用される制度です。アルバイト収入が増えたからといって、直ちに控除がすべてなくなるわけではありません。

家族の収入が前年と変わった場合は、昨年と同じ内容で提出せず、改めて確認しましょう。

なお、所得税の扶養控除と、健康保険などの社会保険上の扶養は別の制度です。所得税の控除を受けられても、社会保険の扶養から外れる場合があります。

生命保険・地震保険の控除証明書を確認する

生命保険や地震保険に加入している場合、保険料控除の対象になることがあります。

生命保険料控除には、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料などの区分があり、契約内容や契約時期によって控除額が変わります。

保険会社から届く控除証明書を確認して申告するのが基本です。

2026年分については、23歳未満の扶養親族がいる場合、一定の要件のもとで新契約に係る一般生命保険料控除の上限が4万円から6万円に引き上げられる特例があります。ただし、生命保険料控除全体の上限12万円は変わりません。

なお、所得控除が増えても、その金額がそのまま税金の減額になるわけではありません。所得税率などに応じた軽減になります。

節税のためだけに保険へ加入することが、必ずしも得になるとは限りません。保障や将来の備えとして必要かどうかを考えたうえで、利用できる控除を受けることが大切です。

iDeCoや自分で払った社会保険料も忘れずに

iDeCoの掛金は、原則として全額が小規模企業共済等掛金控除の対象になります。

また、生計を一にする家族の国民年金保険料を自分で支払った場合なども、社会保険料控除の対象になることがあります。

こうした支払いは勤務先の給与計算だけでは把握できないため、自分で申告する必要があります。

個人で払い込んだiDeCo掛金や国民年金保険料などについては、所定の控除証明書も確認しましょう。社会保険料の種類によっては、証明書の添付が必要ないものもあります。

一方、給与から天引きされている健康保険料や厚生年金保険料などは、通常、会社が把握しているため、改めて申告する必要はありません。

住宅ローン控除は、初年度と2年目以降で違う

住宅ローンを利用して自宅を購入した場合、一定の要件を満たせば住宅ローン控除を受けられます。

原則として、初めて控除を受ける年は確定申告が必要です。2年目以降は、必要な書類を勤務先へ提出することで、年末調整で対応できる場合があります。

住宅ローン控除は、所得から差し引く所得控除ではなく、税額から直接差し引く税額控除です。

住宅の取得時期や入居時期、住宅の要件などによって適用可否が変わるため、確認が必要です。

年末調整では受けられない控除もある

医療費控除や寄附金控除は、原則として確定申告で適用を受けます。

ふるさと納税については、一定の条件を満たせばワンストップ特例制度を利用できます。

ただし、医療費控除などのために確定申告をする場合は、ワンストップ特例の申請が無効になるため、その分も含めて寄附金控除を申告する必要があります。

また、年末調整で控除の申告を忘れた場合でも、確定申告によって対応できることがあります。

年末調整だけで完結するものと、確定申告が必要なものを区別しておきましょう。

2026年分の年末調整で注意したいこと

2026年分の年末調整では、基礎控除や給与所得控除、扶養親族などの所得要件について、税制改正が反映されます。

主な変更点は、基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族などの所得要件の見直しです。

例えば、本人の合計所得金額が489万円以下の場合、基礎控除額は104万円になります。

また、給与所得控除の最低保障額は74万円となり、給与収入だけでほかに所得がない場合、年収178万円以下であれば、原則として所得税はかかりません。

ただし、これは本人の所得税についての目安です。配偶者控除や扶養控除の判定基準、社会保険上の扶養の基準とは異なります。

2026年分の改正は年末調整で反映されるため、毎月の給与から差し引かれた所得税との差額が例年より大きくなる場合もあります。

前年の内容をそのまま写さず、今年の状況に合わせて確認しましょう。


節税は、支出を増やすことではなく、本来受けられる制度を正しく利用することから始まります。

毎年なんとなく提出していた書類も、意味がわかると確認できる内容が変わります。

使える控除を漏れなく申告すること。それが、年末調整で税金を払いすぎないための基本です。

年末調整で申告できなかった控除や、確定申告が必要かどうか判断に迷う場合は、税理士などの専門家に相談することも一つの方法です。